赤ちゃんとお母さんの感染予防対策5カ条

2013年5月29日改訂
日本周産期・新生児医学会、日本小児科学会
日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会

風疹ウイルス、サイトメガロウイルス、B型肝炎ウイルス、トキソプラズマなどの微生物は、妊娠中、分娩中、産後に、お母さんから赤ちゃんに感染して、
赤ちゃんに病気を起こすことがあります。感染予防対策について、正しい知識を身につけておくことが大切です。

1 妊娠中は家族、産後は自分にワクチンで予防しましょう!

風疹、麻疹、水痘、おたふくかぜは、ワクチンで予防できます。(注1)
ただし、妊娠中はワクチンを接種できません。特に風疹は、妊娠中に感染すると、胎児に先天性風疹症候群を起こすことがあります。
そこで、妊婦健診で、風疹抗体を持っていない、あるいは抗体の値が低い(注2.3)場合は、
同居の家族に麻しん風しん混合ワクチン(MRワクチン)を接種してもらいましょう(注4)。

注1:妊娠中でもインフルエンザ不活化ワクチンは安全かつ有効とされています
注2:HI 法で16 倍以下、EIA 法で8 IU/ml 未満
注3:妊娠中の麻疹、水痘、おたふくかぜの感染の赤ちゃんへの影響はまだ分かっていません。
妊娠前や産後に抗体を検査し、抗体を持っていない、または抗体の値が低いときは、ワクチンを接種することで感染を予防できます
注4:MR ワクチンが推奨されるのは、麻疹に感染すると流早産の可能性があり、しかも若年成人の麻疹抗体保有率が低いためです

2 手をよく洗いましょう!

手洗いは感染予防に重要です。特に、食事の前にしっかり洗いましょう。
調理時に生肉を扱う時、ガーデニングをする時、動物(猫など)の糞を処理する時などは、使い捨て手袋を着けるか、その後、丁寧に手を洗いましょう。

3 体液に注意!

尿、だ液、体液などには感染の原因となる微生物が含まれることがあります。
ご自分のお子さんのおむつでも使い捨ての手袋を着けて処理するか、その後で、丁寧に手を洗いましょう。また、家族でも歯ブラシ等は共有せず、食べ物の口移しはやめましょう。
妊娠中の性生活ではコンドームを着用し、オーラルセックスは避けましょう。

4 しっかり加熱したものを食べましょう!

肉(火を十分に通していない肉)、生ハム、サラミ、加熱していないチーズなどは感染の原因となる微生物が含まれることがあります。妊娠中は食べないようにしましょう。
生野菜はしっかり洗いましょう。

5 人ごみは避けましょう!

風疹、インフルエンザなどの飛沫で感染する病気が流行している時は、人ごみは避け、外出時にはマスクを着用しましょう。
子どもはいろいろな感染症にかかりやすく、子どもを介して感染する病気もあります。特に熱や発疹のある子どもには注意しましょう。

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